焦点:中国に改革迫るトランプ氏に「一定の理」、内外で支持拡大

トランプ米大統領が「米国第一主義」推進のために真綿で首を絞めるように関税を駆使する行為は、企業経営者から同盟諸国、米議会の与野党双方の議員まで多方面の怒りを買ってきた。

f:id:koyu00000:20190326172020j:image

しかしトランプ氏の政策にほとんど反対している人たちから幅広く支持されている取り組みが1つ存在する。中国に対して、市場原理をゆがめる貿易や補助金に関する各種慣行の修正を強く迫っていることだ。

 

米中貿易協議が続く中で、さまざまな政治家や企業経営者、外交官らは、米国やその他の外国企業とその社員に痛手を与えてきた諸問題を解決するために、トランプ氏と通商担当チームにあくまで中国に意味のある構造改革を要求するよう促している。

米国と中国を含む39カ国で自動車の座席や電子部品を生産するリア(LEA.N)幹部のスティーブン・ガードン氏は、トランプ氏の「貿易戦争」は、企業や外国政府が不公正とみなす政策の改革を中国に強制してくれるとの期待を解き放ったと話す。「これらの問題がすべて提起された今、解決に乗り出すことについて米国内で政治的支持がより広がっており、後戻りはできなくなっている」という。

ガードン氏の発言は、中国の経済政策や通商政策に向けられる米国内外の企業の心持ちが、トランプ氏の戦術とまでは言わないまでも目指す結果に沿う方向に変化していることの表れだ。

米中協議において習近平国家主席は、米国の圧力に屈して構造改革を実施するのを嫌っているもようで、関税を課される方が中国の経済発展モデルを変えるよりもましだと考えるかもしれない。

 

また中国は譲歩の一環として、対米貿易赤字解消のために多額の米国製品購入を申し出ている。ただ米製品の買い入れはトランプ政権にとって抗しがたい魅力かもしれないものの、米企業が中国で地元勢との不公平な競争を余儀なくされているという問題の解決には全く役に立たない。

米企業から不満が出ているのは、中国が知的財産権を組織的に盗み出し、外国企業に技術移転を強要している点だ。これを改めるには、習氏と共産党指導部に方針を転換してもらう必要がある。

<よろめきと説得>

トランプ氏が当初今月1日に設定していた新たな対中関税導入期限を延期した際に、同氏が中国からの巨額な米製品購入提案によろめき、構造問題を放置したまま協議に合意してしまうのではないかとの懸念が生じた。

ところがそれ以降、多数のロビイストや企業幹部、外交官、米与野党議員らが入れ代わり立ち代わり、トランプ氏に構造改革要求を堅持するよう働き掛けている。

自由貿易推進派の急先鋒でトランプ氏の関税政策を批判してきた共和党のケビン・ブレイディ下院議員も最近こうした説得に加わり、「われわれは中国がより多くの米製品を買うのを望んでいるとはいえ、もっと大事なのは中国に知的財産権補助金、過剰設備など世界経済を歪めてきた分野で高い国際基準を守る責任を果たさせることだ」と強調した。

 
先週には長年の対中貿易強硬派として知られる民主党のチャック・シューマー上院議員が、構造問題で引きさがり、米国産大豆などを中国に買ってもらうことで安易に妥協しないようくぎを刺した。

<EUも内心は共感>

欧州連合(EU)は、トランプ政権が今後、輸入自動車に関税を導入する事態を警戒しつつも、中国の技術移転強要や市場アクセス制限などに不満を抱いているという面では米国と変わらない。

あるEU高官は北京でロイターに「われわれには域内企業から連日苦情が寄せられている」と語り、中国政府は再三にわたって外国企業の事業環境を改善すると約束しながら、ほとんど進展がないと指摘した。

欧州委員会のマルムストローム委員(通商)は、中国が国際的な貿易ルールを自分たちに都合良く気ままに利用していると非難しており、まるで米通商代表部(USTR)の声明を聞くかのようだ。

一方でマルムストローム氏は、EUは米国と違って貿易問題には多国間主義で対処する意向であり、具体的に世界貿易機関WTO)の改革を進めると説明した。

それでも複数のEUの外交官や当局者は、トランプ氏が関税という好ましくない手段を用いていても、中国に構造改革を実行させるという目標自体は渋々ながら賛成であると認めている。非公式な形ではトランプ氏の成功を応援する声が多いのだ。

 

 

中国首相「海外からの投資に一段と門戸開く」、外国企業幹部と会談

f:id:koyu00000:20190326170746j:image

中国の李克強首相は外国企業の幹部と会談し、海外からの投資に対し一段と門戸を開く考えをあらためて表明するとともに、外国企業の権利保護を巡る懸念の払しょくに努めた。

政府のウェブサイトに25日夜に掲載された声明によると、李首相は「中国発展フォーラム」の閉会に合わせてダイムラー(DAIGn.DE)、IBM(IBM.N)、BMW(BMWG.DE)、ファイザー(PFE.N)、リオ・ティント(RIO.L)の経営トップらと会談した。

李首相はその中で、外国の投資家や企業により透明性が高く開かれた事業環境を提供するとともに、知的財産権の保護や強制的な技術移転の是正を保証することに中国はコミットしていると述べた。

米中通商協議に関する質問にも答えたが、声明では詳細に触れていない。

 
中国の苗ウ工業情報相は25日、工業部門に対する政府の細かい管理や直接介入を削減する方針を明らかにした。しかし中国は、製造強国を目指す長期的な計画は取り下げていない。

李首相は会談で、「中国は革新や発展の余地を生む新しい技術の開発や産業の発展を奨励する」と述べ、芽生えつつある技術革新を「殺す」ことを中国は容認しないと言明した。

さらに、中国は妥当なレンジでの経済成長を維持すると述べ、経済への圧力を巡る懸念の払しょくに努めた。

中国、裏の次世代ロボット政策とは? 元政府機関研究員の社会学者が衝撃的提言

習近平政権が掲げる次世代産業政策「中国製造2025」は米中摩擦の火種ともなったが、その裏で別の“性策”が今、秘かに進められていた。衝撃の内容とは!

f:id:koyu00000:20190325012440j:plain

 

 2月、中国社会科学院の元研究員で、著名な社会学者でもある李銀河氏から衝撃的な発言があった。現在、性人口比率が極端に男性に偏っている中国では、’50年に約3000万人の男性が“余る”という予測に対し、「セクサロイド(疑似性行為用ロボット)を活用すべし」と述べたのだ。さらに、セクサロイドは会話や家事が可能になるほど技術的に発展を遂げ、値段も30万円前後と庶民の手の届く範囲になり、爆発的に普及していくと李氏は予想した。  とんでもない予想のように思えるが、中国ではその言葉が真実味を帯びるように、すでにAI(人工知能)を搭載したラブドールが発売され、アダルトグッズ市場は急拡大している。中国調査会社・iiMedia Researchによれば、ECを通じた取引が急増して、市場規模は’20年に約2.8兆円に達するとのこと。また、近年ではアダルトグッズの製造販売企業が次々と新三板ベンチャー主体の店頭市場)に上場している。テクノロジーメディア『ロボティア』編集長の河鐘基氏は言う。 「中国政府は、『中国製造2025』というロードマップを掲げ、5Gなど次世代情報技術、ロボット技術、新素材技術などを重点的に育成しようとしています。BATIS(バイドゥ、アリババ、テンセント、アイフライテック、センスタイム)と呼ばれる中国IT&AI企業は米GAFAと技術レベルでも負けていない。高度な技術を持ったテクノロジー企業が続々と登場するなか、興味深いのは、アダルトグッズ産業においても最新技術を取り入れた企業群が現れ始めていることです」

 

AIスピーカー」の役割も果たす

 

f:id:koyu00000:20190325013027j:plain

  最先端の技術を駆使するアダルトグッズ企業としては、金三娃娃やEXDOLL(後述)がその代表例となる。両社はAIドールを開発する新興メーカーだ。例えば金三娃娃の最新のAIドールは中国検索大手・バイドゥクラウドサービス「百度雲」と連携。膨大な量のデータを蓄積・学習でき、ユーザーの感情を読み取る深いコミュニケーションが可能となるのだ。また会話だけでなく、最新のニュースや天気情報などを音声で案内してくれる「AIスピーカー」の役割も果たしている。  一方、関節へのこだわりも徹底している。性行為に合わせて、頭部や手足、股関節や腰の関節の可動域がほぼ再現されているのだ。性器や口はモーターで制御され、本物と遜色がない。通常の性交やフェラチオはもちろん、アナルセックスまであらゆるプレイが可能になるこのAIドールは約19万円。同社は下位モデルも含め、毎月1500~2000体のAIドールを生産しており、うち80%を海外に輸出しているという。 

 

AIドールの普及が進む中国特有の事情

世界に先駆けてAIドールの普及が進む中国だが、特有の事情があるようだ。中国在住のライター・吉井透氏は言う。 「そもそも、中国人はリアルドールへの抵抗が少ないんです。長らく一人っ子政策が敷かれていたため、避妊具をはじめ、性欲を処理するためのアダルトグッズはいわば政府の“お墨付き”を得て普及していった。今もエロ本は販売できないのに、街中に堂々とアダルトショップがある異様な国です。日本人よりも、アダルトグッズはより身近な存在なんです」  近年、中国でも高齢化社会が到来しており、高齢者人口は2億4000万人に達しているが、うち10%を独居老人が占めるなか(国家衛計委員会)、男性の独居老人たちの間でリアルドールが寂しさを紛らわせてくれる“伴侶”として人気を博しているというのだ。  こうした素地がまずあり、そこにテクノロジーの進化で高性能化した結果、AIドールが市場に受け入れられたというわけだ。  こうした状況に対し、性倫理に詳しい京都教育大学・関口久志教授は、中国のAIドールの隆盛は「歪な人口抑制政策の負の一側面ではないか」と指摘する。 「中国では一人っ子政策により人々の『リプロダクティブ・ヘルス・ライツ』、つまり人々が安全で満ち足りた性生活を営むことができ、子供を持つか持たないか、いつ、何人持つかを自由に決める権利を抑制してきました。男女の人口比率の問題もその権利抑圧が根源にあるといえます」

中国製セクサロイドが世界標準になる日

中国の男女出生比率は長期にわたり偏っており、’12年は女性100人に対し男性は117.7人に達した。正常な数字の範囲は105前後なので、明らかに人為的な操作によって生まれた社会問題だと関口氏は指摘する。 「セクサロイドとの性行為を、人間とのそれを含む多様な性行為のなかから自由に選択できる状況なら批判するべきではない。しかし、人為的に生み出された“結婚難民”にロボットをあてがうというのであれば悲劇そのものです。中国の場合、政策の一環としてセクサロイドなどの代用品を奨励していくというストーリーは十分あり得ます」  人口抑制策の負の遺産として生まれながらも、昨今ではビジネスとして大きな可能性を謳われている中国のAIドール。その勢いはとどまることを知らず、今後、新たな最新テクノロジーを導入しながらさらに成長していくだろう。 「AIドールは欧米でも開発が進んでいますが、中国は商品化までのスピードが速く、他のテック分野と同様、中国製が世界標準になる可能性もある」(河氏)  ラブドールと言えば日本製品が有名だったが、“中国性造2050”を経て、中国製のセクサロイドを我々が抱く日が来るのかもしれない。

中国AIドールの発展に日本の技術が貢献していた

中国のAIドールでもっとも有名なのが先に紹介したEXDOLL(大連蒂艾斯科技)だ。’17年には新三板に上場し、時価総額は現在、約93億円にものぼる。同社の最新AI搭載ドール「EX-ZERO」は音声認識や顔識別のほか、人間の表情や会話時の口の動きを学習する機能も。  将来的に金融や医療分野での活用も視野に入れており、用途を限定しない汎用ロボットに大化けする可能性もある。  世界有数の技術力を持つ同社だが、なんとCEOとAI開発責任者はともに日本に留学経験があるのだ(後者は早稲田大学で博士号を取得)。さらにCEOの楊東岳氏は、日本のラブドールの精巧さに感銘を受け、帰国して事業を立ち上げたほど。今回、楊氏へインタビューを申し込んだが、多忙とのことで代わりに以下のメッセージを頂いた。 「今後、記事読者と直接、交流できるような機会を設けたい! 私たちの理念や商品について皆さんと共有したいですね」  日本への“恩返し”となるのだろうか。